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大沢在昌さんの小説「罪深き海辺」を読みました。

この小説は東京から遠く離れた架空の田舎町でのお話。田舎というと、自然が美しいとか、人が暖かいとか、いいイメージもあれば、村社会。よそ者に冷たい。とかマイナスなイメージもあります。

かなり前に北海道の夕張市が財政破綻したニュースがありました。全国の地方都市が、人ごとではないと大騒ぎしたのですが、その熱というのも喉もの過ぎれば・・地方が抱えている。もっというとこの国の行政のありかたそのものといった大きなテーマも含んでいます。

僕は福島県に住んでいます。福島県といえば田舎の代名詞というくらいの田舎です。中の人間としての田舎の風景と、一度東京に出て行った人間としての外側の人間としての目線。両方をもっている人間です。

僕が田舎に戻ってきた理由は、表向きには先祖から受け継いだ家や土地、墓などを長男として相続し、守っていくため、裏の理由は田舎が大嫌いで将来性もないと都会に出て行ったものの、結局どうにもならず人生に行き詰まってしまったからです。

東京にはホームレスの人が沢山います。彼らは田舎から仕事を求めて都会にやってきた人達が結構います。都会に行けば仕事がある・・だけど結局、田舎であろうと都会であろうと力も知恵もない人間はどうにもならないのです。僕は運良く、撤退できる場所があっただけで、彼らにはそういうものがありません。

学歴も資格も金もない。そんな普通の田舎の人間が、どうやって生きていくか。ヤクザになるか、原発を誘致するか?さてどうしましょう。